不眠のための新たな療法 「明日やるべきことリスト」を作成する
2019.02.17
アメリカの大学が不眠対策の新しい方法を発表!
明日のことを考えるとますます眠れなくなる。不眠に悩む人は、眠れない時間にさらにネガティブな思考に悩まされ、ますます眠れなくなるという悪循環にさらされます。その悪循環を断ち切るための療法を、アメリカの大学が発表しました。紙と鉛筆さえあればできるこの療法、ぜひお試しあれ!
夕刻の不安定な気分が不眠へとつながる
イギリスのブリストル大学が、昨年6月に8億に及ぶツィートの投稿を分析し、その結果を科学ジャーナル『プロスワン』に発表しています。研究によると、早朝の投稿が非常に論理的で実践的である内容であるのに対し、夕刻から深夜の投稿は悲観的な内容が多いことが明らかになったそうです。
そう、一日の疲れがたまる夜間は、そうでなくても肉体的心理的なストレスが蓄積しているのです。眠れない夜、ベッドの上で翌日のことを考えて気分がさらに沈んでしまうのは、こうした理由があります。
その不安と「和解」するために…書く!
アメリカはテキサスにあるベイリー大学の心理学部では、この夜間の不安や焦燥を克服するためにある実験を行いました。
翌日にするべきことを、リストにするのです。『Journal of Experimetal Psicology』に、その結果が発表されています。
翌日、しなくてはならないこと、したいことをリストにして紙に書いた人は、通常よりも9分早く就寝し、睡眠時間も7分伸びたのだそうです。
やるべきことが多すぎる現代、夜間の不安は増長している
研究に参加したマイケル・K・スカリン教授は、現代社会は生活のリズムが早く、一日にこなさなくてはならないことが増え続けていると語っています。そのために、多くの人は就寝前に翌日の予定を頭の中で考えます。これを、物理的に紙に書くことで何らかの効果があるのかと思いついたのが、研究の糸口となりました。
研究では、57人の男女が22時半以降は電子機器や灯りの使用が禁止されるという状況で続けられたそうです。57人のうちの何人かは、就寝前の5分間、翌日あるいは近日中に「なすべきこと」を紙に書くように指示されました。
結果は、「やるべきリスト」を書いた人のほうが前述のごとく早く就寝できたうえに、睡眠ポリグラフ検査においても睡眠の質が良好であったことまで明らかになったのです。
「書くこと」で精神面が安定する
ナショナル・スリープ・ファンデーションの調査によれば、全人口の40パーセントの人は、なんらかの形で入眠困難の経験がある、と答えているそうです。
胃腸の不調やぜんそくなどの病理学的関連を除くと、実生活の中の多大なストレスが世界中に蔓延する不眠の主要因のひとつであることは、もはや疑いのないことです。
ベイラー大学の研究チームは、手で書くことによって不安と向き合い反芻し、結果ストレスを軽減できるからではと推測しているそうです。
瞑想の代用でもある「やるべきことリスト」
息つく間もない毎日のルーティーンの中で、なにものにも煩わされずに過ごす時間は、リセットのためにも必要なのかもしれません。
紙と鉛筆ならば、わざわざ購入しなくても身近に存在するもの。今夜からでも始められる療法です。
あるいは、就寝前の「やるべきことリスト」のために、気に入ったノートを1冊購入するのも一興。
瞑想の代用として、パソコンは使わずに自らの手でリストを作成して、質の良い睡眠を手に入れてください。